ZBrushCoreMiniの機能まとめ【Coreと無印との比較】

ZBrush
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2020年6月にPixologic社から発表されたZBrushの無償版、「ZBrushCoreMini」の特徴をまとめます。

ZBrushCoreMiniの機能をZBrushCore、ZBrush(無印)と比較し、機能にどんな特徴があるのかを知っていただければと思います。

 

上記3つを知らない方のために、各ソフトについて補足しておきます。

ZBrush:全機能が使える。ZBrush完全版。買い切り価格は約10万円。

ZBrushCore:ZBrushの主要な機能を使える。買い切り価格は約2万円。

ZBrushCoreMini:ZBrushCoreの機能をさらに絞った体験版。無料でスカルプトの体験が可能。

 

 

ZBrushCoreMiniは無料で使えるため、興味を持った方はとりあえずインストールして体験してみた方が理解は早いと思います。

また、ZBrush無印も30日間のトライアル期間があります。トライアル期間が終了しても自動更新されないので安心です。

ダウンロードは下記リンク先から行えます。

Pixologic公式ZBrushCoreMiniページへのリンク

https://zbrushcore.com/mini/

 

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ベースメッシュ生成の比較

機能名 ZBrushCoreMini ZBrushCore ZBrush
ダイナメッシュ:メッシュ(モデルの表面)を更新 ×
Zスフィア:簡易的な骨格制作ツール ×
マネキン:人型モデルテンプレート ×
プリミティブ:○□△等の基礎的なモデル ×
メッシュ抜き出し:メッシュの分離機能 ×
ZeeZoo:動物骨格のテンプレート ×

 

ベースメッシュ生成の機能について主要なものは以上の通りです。

上記の中でも便利なのが、ダイナメッシュです。ダイナメッシュはZBrush特有の機能の1つで、メッシュの更新が行えます。

具体的な使用場面として、余計なポリゴン数を削減したい場面や崩れたトポロジー(点と点の並び)を修正したい場面が挙げられます。

ダイナメッシュは完成度の高いモデルをつくるために必須な機能のため、ZBrushCoreMiniで体験できないのは残念ですね。

 

その他の機能に関して、メッシュ抜き出しはメッシュを分離して複製する機能です。

主に”主体となるモデルに接触しているモデル”の作成等に使用します。例を挙げると、衣服や髪等ですかね。

 

ダイナメッシュ・メッシュ抜き出し以外の機能は簡単にまとめると、モデルのテンプレートです。人体や動物等のテンプレートが使用できます。

ZeeZooで利用できる動物のテンプレートモデル(全36種)

※画像はPixologic公式ドキュメントページから引用(参考先)

 

 

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スカルプト機能の比較

機能名 ZBrushCoreMini ZBrushCore ZBrush
1メッシュ毎の最大ポリゴン数 75万 2千万 1億
マルチ解像度メッシュ編集 (サブディビジョンサーフェススカルプト) ×
インサートマルチメッシュ ×
ブラシの数 8 30 300以上
複数メッシュサポート (サブツール) ×
サーフェスノイズ 1つのプリセットのメッシュに適用されています
ダイナメッシュによるブーリアン型操作 ×
3D サーフェース効果 クレイポリッシュ ×
参考画像サポート ×
Sculptris Pro
SnakeHookBrush

 

スカルプト機能の比較の中で、注目すべきは1メッシュ毎の最大ポリゴン数・ブラシの数・Sculptris Proの3つです。

1メッシュ毎の最大ポリゴン数は、1つのモデルが保有できるポリゴン数の上限値です。

スカルプトでは粘土のように体感でモデリングが行える反面、1メッシュあたりのポリゴン数が多くなりがちです。

そのため戦術した、余計なポリゴン数を削減できるダイナメッシュが有用なわけですが、ZBrushCoreMiniでは扱えません。これも残念。

 

ブラシの数は、言わずもがなモデルの再現力に影響します。

ZBrushCoreMiniで使用できるブラシは8つと上位ソフトと比べると見劣りしますが、実際にスカルプトしてみると8つだけでも以外と理想の形がつくれるかと思います。

 

Sculptris Proは2018年に登場した機能で、ブラシの大きさに合わせてポリゴン分割が行えます。スカルプトのメリットを最大限活用できる機能なので、ZBrushCoreMiniで体験してみてください。

具体的には、大きなブラシサイズで大まかな形にモデリングし、小さなブラシサイズでディティールを追加していくイメージで使用します。

 

 

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インポート/エクスポートの比較

機能名 ZBrushCoreMini ZBrushCore ZBrush
エクスポート デシメートされたOBJのみ OBJ, MA, STL, VRML OBJ, MA, STL, VRML, FBX, PLY
インポート × OBJ, MA, STL, FBX, PLY OBJ, MA, STL, FBX, PLY

 

ZBrushCoreMiniのエクスポート可能な出力形式はデシメートされたOBJのみとなっています。

デシメートとはポリゴン数を削減する工程のことです。

ZBrushCoreMiniを実際に利用してみると75万ポリゴンを超えると自動でデシメーションが実行されます。

つまりZBrushCoreMiniでは75万以下のOBJ出力が可能と解釈して差し支えないかと思われます。

ちなみにOBJ形式では、モデルの形・色が出力可能です。ZBrushCoreMiniは単色でモデルに色が付けることができます。

まとめると、ZBrushCoreMiniでは単色かつ75万ポリゴン以下のモデルがOBJ出力可能です。

 

インポートはZBrushCoreMiniでは行えません。外部ソフトとの連携や、以前作成したモデルを使いまわすことは不可能ですね。

 

 

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一般機能の比較

機能名 ZBrushCoreMini ZBrushCore ZBrush
商用利用 ×
アクティベートできるマシン数 無制限 2 2
言語ローカライズ 英語のみ ○(日本語対応) ○(日本語対応)

 

主要なポイントのみ記載しました。

ZBrushCoreMiniはあくまで体験版のため商用利用(作成したモデルの販売)は行えません

使用可能言語も英語のみですが、実際に使用してみると機能がシンプルなため、言語の壁はたいして感じませんでした。

ZBrushCore、ZBrushでは多機能をカテゴライズして格納しているため、英語が苦手な方は日本語化推奨です。

 

 

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上級機能の比較

機能名 ZBrushCoreMini ZBrushCore ZBrush
ギズモ3Dデフォーマ × 6 27
マスキング 能力 × 基本 高度
ポリグループ 能力 × 基本 高度
メッシュ最適化 (デシメーションマスター) 簡易 基本 高度
3Dプリント用のモデルの中空化 ×

 

上級機能の比較で注目すべきは、特にありません。

ZBrushCoreMiniで使えない機能がZBrushCore・ZBrushなら扱えるということだけ覚えておけば問題ないかと思います。

ZBrushCoreMiniは起動直後の画面に扱える全ての機能が表示されているため、上級機能の有無は上位ソフトを触ったことがある人でなければ気付かないでしょう。

 

 

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ZBrushCoreMiniの機能まとめ

ZBrushCoreMiniのポイントをまとめると以下の通り。

無償で利用可能

ZBrushでのスカルプト体験ができる

単色かつ75万ポリゴンのモデルをOBJ出力可能

 

 

以上ZBrushCoreMiniの機能比較でした。

冒頭でも紹介しましたが、百聞は一見に如かずです。

ZBrushCoreMiniが常時無償ZBrushは30日間トライアル(自動更新なし)が可能なので興味のある方は実際に体験してみてください。

ZBrushCoreMiniページへのリンク

https://zbrushcore.com/mini/

 

ZBrush(無印)トライアルページへのリンク

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スカルプトはマウスでの操作よりもペンタブ・液タブを使用した方が便利です。

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余談ですが、今後ZBrushを主要ツールとして扱いたい場合、ZBrushCoreを一旦購入するよりも思い切ってZBrushを選んだ方が結果として2万円節約できるのでおすすめです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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