「Unity ゲーム プログラミング・バイブル 2nd Generation」を実際に読んでみて感じた印象や、書籍の内容についてご紹介していきます。
購入を検討している方や、内容が気になっている方の参考になれば幸いです。
Unityゲーム プログラミング・バイブル 2nd Generation
「Unity ゲーム プログラミング・バイブル 2nd Generation」はどんな本?
まず初めに、この書籍がどういった本なのかを簡単に紹介しておきます。
本書は2018年春に発売した「Unityゲーム プログラミング・バイブル」をバージョンアップした内容で、ページ数は648(前著)→1112(本書)と約1.7倍に増えています。
私は前著を読んだことがないので確かではないですが、ネット上に公開されている情報から推測すると、本著の内容は前著と重複している部分もあるかと思います。目次中に重複がいつくか見つけました。
「Unity ゲーム プログラミング・バイブル 2nd Generation」で扱う内容
株式会社ボーンデジタル Unityゲーム プログラミング・バイブル 2nd Generation製品ページ
■基本コンポーネント
01 プレハブ(Prefab)の最新活用法
02 カメラワーク
03 TextMesh Proアニメーション
04 Particle Systemなどの画面演出技法:3D早押しチャンバラ
05 ナビゲーションシステム(NavMesh)を活用したゲーム制作
■グラフィックス
06 URPのカスタマイズ
07 レイマーチング:基礎から応用まで
08 Timelineによる映像制作
09 Light 2Dによる効果的な演出
■拡張コンポーネント
10 TerrainとProcedural Skyboxによるオープンマップの作成
11 Unity 2D Animationによるアクションゲームの作成
12 Animation Riggingによるアニメーションのランタイム編集
13 Visual Effect Graphによるエフェクト制作
14 ShaderGraph、UniversalRPを活用した高度な表現
15 Boltによるビジュアルプログラミング
16 Unity ML-AgentsによるAIファイターの作成
■ネットワーク
17 Firebaseを活用した非リアルタイムネットワークゲーム
18 Photonによるリアルタイムネットワークゲーム
19 MLAPIによるリアルタイムネットワークゲーム
■リソース/IO/xR
20 AR FoundationによるARダンスミックス
21 XR Plugin FrameworkによるVRレーシング
22 インタラクティブなライブ動画配信
23 インタラクティブミュージックの実装
■C#スクリプティング
24 DOTSの概要
25 C# JobSystemによるマルチコア分散処理
26 Update your C# in Unity
27 UniRxを用いたゲーム開発
28 async/awaitとUniTaskによる非同期処理の実装
29 Zenjectを用いたゲーム開発
30 柔軟なシステム設計の考え方と実装例
■開発支援
31 Unityエディターの拡張
32 Profilerの情報をランタイムで取得して表示する
33 テストフレームワークを用いた開発
34 セキュリティと多言語対応
35 Addressable Assets Systemによるアセット管理
36 ビルド管理・パッケージ管理
37 動画広告の実装
「Unity ゲーム プログラミング・バイブル 2nd Generation」の特徴
本書の一番の特徴は、情報量の多さです。
ページ数は1112ページと一般的な参考書と比べると2~3倍のボリュームがあります。
筆者は書籍形式で読んだのですが、本のサイズは縦23.6x横18.3x奥行6.4(cm)、重さ約2.1kgとかなり大きいです。
PDF版も購入できるので、持ち運んで利用したい方はそっちの方がいいかもしれませんね。
「Unity ゲーム プログラミング・バイブル 2nd Generation」を読んでみた感想
以降では、本書を読んでみて感じた印象や感想を書いていきます。
対象者は脱初心者レベル
本書の対象者は、”Unity所学者を卒業したレベル(「入門書」を読み終えて、簡単なサンプルを製作できるレベル)”と記載されていました。
私自身は正しく脱初心者したレベルでして、読んでみると確かに初心者には難しい内容だと思いました。具体的には、本書にはサンプルのコードが多く載っているのですが、入門書のように1行1行丁寧に説明はありません。そのため、わからない関数や機能は調べながら進める必要があります。
しかし、1章ごとの内容が濃いので、学べる事柄がかなり多いと感じました。
機能の説明が画像付きでわかりやすい
先に、わからないことは自分で調べる必要があると書きましたが、各章で扱う機能の説明はちゃんとあります。表や画像を用いて説明しているので、ちゃんと理解しつつ読み進められます。
ただ、本に載せきれる情報量には限りがあるので、基礎的な部分は読者自身が補足する必要のある章もありました。
例えば、本書14章「ShaderGraph、UniversalRPを活用した高度な表現」では、ShaderGraphという機能を用いてトューンシェーダーを作成します。この章では、ShaderGraphの基礎的な部分には触れずに、サンプルを作成する部分を重点的に説明がされていました。
個人的におすすめの章を紹介
私が個人的に”役に立ちそうだな”と感じた章を紹介していきます。
グラフィックス関連の章全部
当ブログは3DCGに関するサイトなので、せっかくなので本書で扱っているグラフィックス関連の章を紹介させていただきます。
本書で解説されているUnityのグラフィックス関連の章は以下4つです。
07 レイマーチング:基礎から応用まで
08 Timelineによる映像制作
09 Light 2Dによる効果的な演出
1つ1つを簡単にご紹介します。
06 URPのカスタマイズ
URPはUnityの標準的な描画パイプラインです。これをプログラミングすることで、オブジェクトの見え方を変えることができます。本書では、パーティクルを以下の画像のような流体に見えるようにURPをカスタマイズする方法が解説されています。
07 レイマーチング:基礎から応用まで
レイマーチングは、短いコードで複雑なグラフィックを実装できる手法です。Unityでフォトリアルなビジュアルを作成する際に利用できます。
本書ではサンプルとして、無限複製とブーリアン演算を組み合わせて、複雑なビジュアルを作成しています。
08 Timelineによる映像制作
上で紹介した、レイマーチング手法を利用し、Timelineを用いて、フォトリアルな映像を作成できます。
本書のサンプルとして、以下の画像のような映像を作成できます。
09 Light 2Dによる効果的な演出
Unity2019から実装された、2D画面をライティングするLight 2Dという機能を解説しています。
サンプルでは、画像のようなハイライトや、輪郭をぼやかすような手法を学べます。
動画広告の実装
Unityで作成したアプリやソフトに広告を載せる過程を説明しています。ただ、動画広告の実装過程を説明するだけでなく、どういった広告があり、広告を実装する際の注意点なども解説しているので、コンテンツに適切な広告の実装が行えるようになります。
まとめ
ここで紹介した内容は本書のごく一部ですが、3DCGをする人にとっては貴重な情報源がたくさん書いてあります。
まとめると、私が読んでみた感想は以下の通りです。
・Unityのプログラミング知識が身に着けられる
・Unity独学の手助けになる
・クオリティの高いサンプルで体系的に学べる
興味がある方はぜひ購入を検討してみてください!
現在、本書を使ったコンテンツをつくってみているので、成果ができ次第、追記していきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
Unityゲーム プログラミング・バイブル 2nd Generation