ZBrushをこれから始める初心者の方へ向けて、おすすめの学習ワークフローを紹介します。
<本記事はこんな人向け>
・ZBrushを始めたばっかり
・3DCGの知識が全然ない
・できるだけ安く学習したい
上記のようなZBrush初心者の方へ、ZBrushの操作方法を無料かつ最速で学ぶための学習ワークフローを提案します。
紹介する学習ワークフローに従って学習を進めることで、効率よくZBrushの学習を進めることができるように本記事を作成しました。
今回紹介するZBrush学習ワークフローは、ZBrushの解説記事の中でも良質な記事をZBrushのモデリング手順に当てはめて紹介していく、という流れになります。
ZBrush初心者が陥りやすいのは、わからないことがわからない・欲しい情報が見つからない、といった状態です。
このような事態を避けるためにも、本記事の学習ワークフローに沿って学習していただければ幸いです。
なお、記事タイトルにも書きました通り、本記事で紹介する学習ワークフローは完全無料(ネットの情報のみ)、かつ時間のある方向けです。
無料で学習するには、どーしても時間がかかってしまうので、その点は妥協しましょう。
<ZBrushCoreユーザー・まだZBrushをインストールしていない人へ>
ZBrushは45日無料試遊版が利用できます。自動更新がないので気軽にどうぞ。(期間外は利用不可になるだけ)
オーク ZBrush試遊版
ZBrush 評価版|株式会社オーク
前置きが長くなりましたが、ここからZBrush完全無料学習ワークフローを説明していきます。
ZBrush完全無料学習ワークフロー
今回紹介する学習ワークフローの全体像は以下の通り。
ZBrush完全無料学習ワークフロー
- 起動からモデリング開始まで
- 視点・ショートカット操作方法
- ブラシ使用方法
- ショートカットの作成方法
- 基本的な機能(望みの形状をモデリング)
先にも説明しました通り、ワークフローのそれぞれの段階にて良記事を紹介していくという流れになります。
なお、説明に際してWebページをみつつZBrushを操作するため、画面の切り替えがめんどうになるかと思います。
デュアルディスプレイ、別端末等用意できない場合、かつWindowsの方は、仮想デスクトップを利用してみてください。
Ctrl+Windows+D:仮想デスクトップ作成
Ctrl+Windows+←→:仮想デスクトップ切り替え
Ctrl+Windows+F4:仮想デスクトップ削除
1.起動からモデリング開始まで
ZBrushを起動してからモデリングを開始するまでの手順を学びます。上から順にリンク先の手順に従って学習することで簡単にモデリング開始まで進められます。
2. ライトボックスから保存まで 保存方法が詳しい
3. 【ZBrushの使い方】最速でモデリングを始める手順を解説 日本語化手順あり
2.視点・ショートカット操作方法
視点移動・画面操作については以下のページがわかりやすいです。
・ショートカットはゆうさんの作成したチートシートが便利。印刷してすぐ確認できるようにしておくと◎
ZBrushのショートカットキー一覧作ってみた。これで使いこなせる?
【参考】http://t.co/SvVQakKUpO pic.twitter.com/EK86WEQWae— ゆう (@yuu_T556) June 12, 2014
3.ブラシ使用方法
ZBrushでのブラシの使用方法について学びます。
・ブラシ機能について 操作方法はこの動画だけでOK
・ブラシの種類をさらに学ぶ 2分ぐらいで流し目で読めます
・アルファ機能についてさらにくわしく知りたい方は以下の記事
ZBrush アルファの使い方とアルファの追加方法を解説 アルファ自作方法も解説
4.ブラシ・機能のショートカットの作成方法
あらかじめよく使うブラシ・機能に関してはショートカットを作成しておきましょう。
・【ZBrush】よく使うブラシ・ツールのショートカット作成方法
以下で紹介するZBrushのモデリング機能も、上記記事で解説する手順でショートカットが作成できます。
5.基本的な機能(望みの形状をモデリング)
ZBrushを使用し望みの形状をモデリングするために必要な機能を学習します。
・サブツール
オブジェクトをパーツごとに分けて扱うための機能です。
・ギズモ3D
オブジェクトを変形したり、移動させたりできます。大まかな形をつくる際はブラシを使うよりもギズモ3Dを使った方が簡単です。
・ポリグループ
1つのサブツールを、さらに細かいグループに分けることができます。
人体を例に挙げると、オブジェクトが全身、サブツールが手、足、胴体、頭、ポリグループが指、胸部、腹部、耳といったイメージです。
・ポリペイント
ZBrush内でメッシュにペイントできる機能です。
・ダイナメッシュ
オブジェクトの面を貼りかえる機能です。トポロジーが崩れた時に使用します。
ダイナメッシュについてさらに詳しく学習したい方向け→
・ディバイド
オブジェクトの面を分割する機能です。面を分割するほど細部のデティールがモデリングできるようになります。
これらの機能を学ぶことで、望みの形状をモデリングするための基礎知識が得られます。
基礎的な機能を使ってモデリングする手順は以下のイメージです。機能の使い方を覚えるためにも1度この手順で1つのモデルをつくってみるのがおすすめです。
1.ギズモ3Dとマスクを使ってメッシュを変形し、大まかな形をつくる
2.トポロジーが崩れたらダイナメッシュ
3.大まかな形ができたらブラシで細かい凹凸をつける
お題が思いつかない方は、頭蓋骨チュートリアル動画を試してみましょう。これまでに説明した機能のおさらいとしてちょうどいいチュートリアル動画なのでおすすめです。
作品としてモデリングするために、学ぶべきポイント
ここまでに説明してきたのが、ZBrushの基本的な使い方でした。
ZBrushの基本的な部分を学ぶところまではチュートリアルが豊富にあるためスムーズに学習が進められますが、それ以降はわららないこと自体を自分で探す必要があり、学習コスト(主に時間)が大量にかかります。
そこで、この項目では私が学んだ知識をもとにZBrushについて何を学べばいいのかを説明していきます。
ZBrushの基本的な使い方を学んだ方が次に学ぶべきポイントは以下の3点
- ・ハイポリゴン→ローポリゴンへの変換
- ・レンダリング
- ・動画を見つつ、ひたすら練習
ハイポリゴン→ローポリゴンへの変換
ハイポリゴン:頂点数が多くデータ量の大きな、重いモデル
ローポリゴン:頂点数が少なくデータ量の少ない、軽いモデル
ゲームやアニメーションには大量の演算が必要となるため、モデルのデータ量が少ないことが求められます。そこで、ハイポリゴン→ローポリゴンへの変換が必要となるわけです。
言い換えれば、自作したモデルをゲームやアニメーションで扱えるように最適化する作業になります。
ローポリゴンにすると当然細かい凹凸は失われますが、ノーマルマップやテクスチャを利用することでディテールを保つことが可能です。
つまり、ノーマルマップやテクスチャは、モデルのクオリティを保ちつつデータ量を減らすために必要ということです。
まずは動画でハイポリゴン→ローポリゴンの変換の流れを確認してみてください。
UV展開はこちらの動画が参考になります。
さらに解説記事としてまとめましたので参考までにどうぞ。順番になっています。
・ZBrush Zリメッシャーの使い方【自動リトポのコツを解説】 リトポする方法
・ZBrush UV展開の手順を解説 UV展開の方法
・ZBrush ノーマルマップの作成方法(ディティールを転写) ディテールを転写する方法
レンダリング(モデルをきれいに表現するための方法)
レンダリングは作品を完成させる上で必須の工程になります。
フォトリアルな画像や、ヌルヌル動くアニメーションなど、レンダリングを行うことで初めて作品として完成できます。
ZBrushにはレンダリング機能が備わっていますが、プロのアーティストやモデラーの多くはZBrushに搭載されたレンダリング機能は使わずに、外部のソフトでレンダリングを行っている印象が強いです。
無料で高品質レンダリングするならblender一択。
お金はかかりますがKeyShotと呼ばれるレンダリングソフトもZBrushと連携できるのでおすすめです。
動画を見つつ、ひたすら練習
ここまでは説明だけでしたが、モデリングを上達する一番のコツは練習することです。モデリング初心者のうちは、自己流ではなく動画等を見つつ練習することをおすすめします。
個人的に初心者におすすめなのはこちらの動画。液タブのPRも兼ねてタイトルに液タブとありますがペンタブでも問題なくモデリングできます。
動画は好みがわかれるかと思うので、個人的におすすめな方を紹介しておきます。YouTubeで検索かけてみてください。
榊馨さん フィギュア制作の教科書の著者。Pixologic公式で造形動画が見れる。
希崎葵さん YouTubeで丁寧な解説動画が見れる。
ZBrushのできないこと→他のソフトで代用
最後にZBrushのできないことについて補足しておきたいと思います。
ZBrushでできないのは以下の2つ。これらは他のソフトで代用する必要があります。
・リギング
・高品質レンダリング
高品質レンダリングするためには、先ほども紹介したblenderやKeyShotがおすすめです。
KeyShotはZBrushとの連携がオフィシャルでサポートされているため、ZBrushで作成したモデルを簡単に高画質にレンダリングすることが可能です。
無料で高画質レンダリングしたいのならBlenderがおすすめです。ただしBlenderはZBrushで扱えるような億単位のモデルはインポートできないので、ZBrush→Blenderのモデル移動時にはポリゴン数を削減する必要があります。
また、ZBrush内部にもレンダリング機能は搭載されているのですが、解説がとても少なく学習コストも高めなのでおすすめできない理由です。
ZBrush2019?2020?あたりではNPRという影やぼかしなどのフィルターを重ねることでレンダリング結果を大きく変化させることのできる機能が追加されました。コンセプトアートを作りたいときにはZBrush内蔵のレンダリング機能も有用になってくるかもしれません。
・リギング
リギングは、モデルに骨組みをつける作業です。ZBrushではリギングが行えないため、そのままではゲームやアニメーションで動かすことができません。
リギングはblender等の外部ソフトで代用する必要がありますので注意してください。
個人的には完全無料よりは、書籍を利用しつつの学習がおすすめです。以下の記事にZBrushおすすめ書籍をまとめましたので参考までにどうぞ。
ZBrush初心者におすすめの本を徹底比較!【2019最新版】
最後まで読んでいただきありがとうございました。