Unityを快適に動かすために必要なPCのスペックは?
自分のPCでUnityは動かせる?
この疑問を解決するために実際に調べてみました。
無料でゲーム・アプリ開発の行える3Dゲームエンジン、Unityの動作環境について解説します。
記事前半で、Unity公式のドキュメントを元にUnityを動かすための必須スペックを解説していますが、本当に動作に必須なスペックしか記載されておらず実際にUnityを操作する際の目安になりません。
そのため、筆者自身の経験を元にUnity制作におすすめの個人的推奨スペックについても紹介していきます。
PCの動作環境のキーワードについて簡単な解説も書いたので、PCについて知識が少ない方はPC周りの知識も学びながら読んでいただけるかと思います。
Unityの動作環境
Unityの動作環境についてまとめます。
Unity公式には動作に最低限必要なスペックしか記載されていなかったため、個人的におすすめのPCスペックについても紹介しておきます。
Unity Editor 必須スペック
以下の表は、Unity公式ページ(https://docs.unity3d.com/ja/current/Manual/system-requirements.html#other)から引用した、Unity Editor2019.4 LTSの動作環境です。
Windows | macOS | |
OS | Windoes7, 10 64bitのみ | Sierra 10.12.6+ |
CPU | X64 architecture with SSE2 instruction set support | X64 architecture with SSE2 instruction set support |
GPU(Graphics API) | DX10, DX11, and DX12-capable GPUs | Metal-capable Intel and AMD GPUs |
この表は、Unity2019.4 LTSの動作環境です。これからUnityを始める方は2019.4以前のバージョンを使うメリットがあまりないので割愛させていただきます。
OSについて
OSは最新バージョンにアップデートしておけば問題ありません。Windowsの方はWindows7が2020年1月にサポートが終了しているのでWindows10へアップグレードすることをおすすめします。
CPUについて
X64 architecture with SSE2 instruction set support
よくわからなかったので調べてみると、SSE2は2001年に発売されたCPUに初めて搭載された拡張命令セットのことだそう。
現在(2020年)販売されているPCなら問題なく動作するでしょう。
具体例を挙げると、Windows Core i3でも問題なく動作します。
UnityにおけるCPUの役割
CPUはPC内のあらゆる処理を行うエリアです。つまり、CPUの性能が良いほどUnity内でのプログラム処理や、実行速度が速くなります。
GPUについて
DX10, DX11, and DX12-capable GPUs
これまたよくわからないので調べてみると、DX10(DirectX 10)は、2006年にリリースされたAPIの集合とのこと。
GPUについても、現在販売されているPCなら問題ないです。
低価格帯のPCに搭載されているGPUの例として、UHDグラフィックス620でも問題なく動作します。実機動作確認しました。
UnityにおけるGPUの役割
GPUは3Dグラフィック関連の計算処理を行うエリアです。
Unity内でオブジェクトが動いている映像を計算処理してモニターに映し出すことがGPUの役割です。
良いGPUほど高解像度でゲームや映像を観ることができます。
Unityで制作を行う側の場合、GPUさほど重要ではありません。極端なことを言うと、低価格GPUユーザーが高価格GPUユーザー向けのコンテンツを作ることも可能です。
Unity必須スペックまとめ
現在販売されているPCなら問題なし。
低価格帯PC(5万円代)でも動作する。
以上がUnity公式ドキュメント 動作環境のページの情報を元に解説したUnityの必須スペックです。
これだけではさすがに現実味がないと思うので、Unityを日ごろから触っている1ユーザーとして私がおすすめの推奨スペックを紹介していきます。
Unity Editor 個人的推奨スペック
OS | どっちでも可、iPhone用アプリ作成はmacOSでしかできない |
CPU | Intel Core i5以上 |
GPU | 特になし(可能ならGeForce系) |
メモリ(RAM) | 16GB以上 |
ストレージ | 1TB 以上 |
OS:どっちでも可、iPhone用アプリ作成はmacOSでしかできない
OSは好みの問題なので、WindowsでもmacOSでも好きな方を選びましょう。
ただし、iPhone用のアプリやソフトはmacでしか作成できません。
iPhoneユーザー向けにリリースしたい場合はmacOSでしかできないので注意しましょう。
ちなみに日本ではiPhoneユーザーが世界的に見てもたくさんいるので日本人向けのアプリをつくる場合はmacにした方がより大きな市場でアプリを公開できます。
CPU:Intel Core i5以上
CPUはIntel Core i5以上、または同程度のCPUを推奨です。
CPUの性能はPC自体の性能に直結するため、Unityを使う上でも一番コストを費やすべきポイントです。
CPU選びのポイントとしては、Intel Core i5-XXXXのXXXXの数値が大きいほど高性能になります。
参考元のCPU性能比較ページにおいて、スコアが1000程度あればストレスなくUnityが動作できるかと思います。
<参考>PC通販サイトのドスパラがCPU性能の独自比較を行った結果
Intel(インテル)CPU性能比較表【2024/7/25更新】|ドスパラ【公式】「Intel(インテル)CPU性能比較」ページです。各CPUの性能をグラフで分かりやすく掲載!Core iシリーズの性能比較や、パソコンで使用中の製品と最新のCPUの比較などにご利用ください。
GPU:特になし(可能ならGeForce系)
GPUはUnityを使用するだけなら低価格のものでも問題ないです。
ただし、Unityで3D オブジェクトを扱いたい場合は、Blender等3Dモデリングソフトも使う必要があるため、それらのソフトを快適に動作させるためにはGeForce系のGPUが必要になってきます。
GPUの性能が良いほど快適にモデリングが行えるためキャラクターやアイテムを自作したい場合はGeForce系のGPUがあった方が便利です。
メモリ(RAM):16GB以上
メモリは16GB以上を推奨します。
私は4GB、8GB、16GBと3つのメモリ量でUnityを使用してきた際の実体験を元に各メモリ量を説明するとこんなイメージです。
4GB:フリーズ、重くなる頻度が多い
8GB:まれにフリーズ、たまに重くなる
16GB:安定、ごくまれに重くなる
実際にUnityでコンテンツを作る際は、Unity単体で開発することはなく、Unity以外にも3Dモデリングソフトやブラウザを開いていることが多いです。
この時メモリが不足しているとPCがフリーズしたりや重くなったりすることがあります。
私は4GBメモリPCから8GBメモリPCに買い換えましたが、8GBメモリでもたまにフリーズしていました。
16GBメモリに増設すると動作がとても安定したため、個人的には16GB以上のメモリ量を推奨します。
32GBメモリあれば十分ですが、趣味・小規模な個人開発レベルならば正直そこまでなくても16GBメモリで事足ります。
参考までにUnity、Blender、ブラウザ(Chrome)を同時に起動している状態でのメモリ使用量は9GB程度です。16GBあれば使用率70%以下で安定して動作してくれます。
※追記※
デスクトップPCの場合、メモリ増設は後からできるため8GB→16GBの増設もアリです。
増設用8GBメモリ:4000円程度(2020年7月時点)。
HDD・SSD:1TB 以上
ストレージ量は1TB以上を推奨します。
SSDはHDDよりも動作が速くソフトやプロジェクトの起動が速くなりますが、HDDでも問題なしです。
ストレージはノートPC・デスクトップPC問わず後からいくらでも増設できるので、この点も覚えておいてください。
ストレージは年々安くなっており、2020年7月時点だと6000円程度で1TB外付けHDDが購入できます。(USB接続するだけでストレージが増設可能)
WD ポータブルHDD 1TB USB3.0 ブラック WD Elements Portable 外付けハードディスク / 2年保証 WDBUZG0010B...
以上がUnity Editor 個人的推奨スペックの紹介でした。
確認のため、もう一度載せます。
OS | どっちでも可、iPhone用アプリ作成はmacOSでしかできない |
CPU | Intel Core i5以上 |
GPU | 特になし(可能ならGeForce系) |
メモリ(RAM) | 16GB以上 |
ストレージ | 1TB 以上 |
このPCスペックを満たしているPCを少し調べてみると、6~9万円で購入できそうです。
Amazonで調べてみるとここら辺が現実的なスペックかなと思います。
OS | Windows10 pro |
CPU | Core i5 10400F |
GPU | GeForce GTX1650 4GB |
メモリ | 8GB DDR4 SDRAM |
ストレージ | 512GB SSD / HDD なし |
上記製品はメモリが8GBのため、使用してみて動作がカクカクするようならメモリを増設することをおすすめします。私自身8GBメモリ搭載のPCを購入して16GBに増設しましたが、高負荷処理以外の時はほとんど変わりませんので…
繰り返しになりますが、CPUとメモリだけは妥協しないことを推奨します。
ちなみにPC探しをしているとたまに見つかるGPUで、「Intel UHD Graphics 630」搭載という製品がありますが、こちらの型式は、安価なPCにも標準搭載されているレベルのGPUになります。
ゲームやCG用途の高性能GPUではないので注意してください。
PC選びのコツ
以上、Unityに必要なスペックを満たすPCを探してきたのでちょこっと紹介します。
ユーザーとしては上記のスペックがあれば最低限利用できそうな結論にいたりましたが、大手PCメーカーがUnity推奨スペックとして出している製品は以下のようなスペックです。
これだけあれば十分Unityを快適に利用できます。
HP ゲーミング デスクトップPC(型番:462U0PA-AAAF)
OS | Windows |
CPU | Core i7-11700F |
GPU | GeForce RTX 3060 Ti |
メモリ | 16GB DDR4 SDRAM |
ストレージ | 512GB SSD / HDD 2TB |
HP ゲーミング デスクトップPC インテル Core i7-11700F NVIDIA GeForce RTX 3060 Ti メモリ16GB 512GB SSD...
以上、Unityの動作環境の解説でした。これからUnityを始める方の助力となれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。